大判例

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東京高等裁判所 平成元年(ネ)997号 判決

控訴人は、被控訴人小林が宗教法人である被控訴人源興院の代表役員の地位にないことの確認を求めるものであるところ、このような宗教法人の役員である地位の不存在の確認請求に関する判決は、当該宗教法人の組織に係わるものであるのみならず、その管理及び運営にも重大な影響を及ぼすものであるから、この訴えを提起する適格を有する(訴えについての確認の利益を有する、といっても同じである。)のは、役員の選任や業務の執行などの当該宗教法人の組織又は管理に関して何らかの権限を有する者に限られるものと解すべきである。

これを本件についてみると、寺院においては、基本財産、僧侶及び檀信徒がその構成分子であり(最高裁判所昭和三五年六月二日判決民集一四巻九号一五六五頁参照)、このことは被控訴人源興院にも当てはまるが、宗教法人法における宗教法人の管理に関する諸規定と被控訴人源興院及びこれを包括する宗教団体である宗教法人浄土宗の各規則(成立に争いのない甲第五、第七号証)によれば、原則として、被控訴人源興院において役員の選任に関与するのは、現に責任役員の地位にある者及び檀家総代のみであり、業務の執行は、専ら責任役員の一人である代表役員に委ねられていることが明らかである。これらの点からすると、本件訴えにつきこれを提起する適格を有するのは、被控訴人源興院の責任役員又は檀信徒総代の地位にある者であることを原則とし、その他右に掲げた各規則及び両宗教団体の諸規定から応急的措置等によりこれらに準ずる地位にあると認められる者についても、その適格を肯認する余地があるものと解するのが相当である。

(橘 安達 鈴木)

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